11/25/2010

海外助成金制度って

今年は3カ国での海外展が続き、上半期は体力勝負だったけれど、その時の出会いから、来春の展覧会のご招待をいただいた。

場所は、フランス。

すごーく広いエリアで展開する2m以上の作品だけというBIG展覧会「XXART」。
来年は、今年の倍のアーティストの作品がフランス中から集まるという。
メディアの手ごたえもいいらしい。

そこで、来年のオープニングに、ぜひ天遊さんのライブパフォーマンスを!という、すごいお話。
現地の子供たちにもワークショップを計画しているという。
お部屋はいっぱいあるので、お弟子さんもいっぱい連れてく手大丈夫ですよ、という、想像できない待遇に、もちろん、行かせていただきます!と答えた。

しかし、問題は、交通費。

BIGクライアントが付いているアーティストでもないし、弟子は自腹、といえる大先生でも、ない。いつもサポートしてくれる組員に、申し訳ないと思っている私としては、今回は何とかしなくては、と悩んだ。

そこで、初めて、助成金を申込んでみることにした。そして調べたら、4月のイベントは、今月中に出さないと間に合わない事を知った!!

フランスのマダムにも資料の請求の連絡を取ったり、同行できる組員の打診をとったりするのだけれど、まだ先の話なので、なかなか返事が戻ってこない。

さてさて。どうなることか。

祈っていてください。

 

11/22/2010

人間国宝・福田喜重さん

Kimono_01

人間国宝の人と、会えた。

場所は、帝国ホテル。

男のきものブームを作った、銀座もとじの、30周年パーティ。FM番組をとおして10年来のお付き合いがあるのでメディアご招待いただいたけれど、8割がたが高級な和服をまとった男女。出版社の皆様もしっかり和服姿。
ひときわオーラが放たれているのは、女優の皆様。あでやかで、本当に素敵。

まずい。アトリエから駆け付けたから、黒のニットしかも爪には墨が・・・。
端っこでワインでも飲んでいよう、と歩きだしたら、美人和服スタイリストのAさんに声をかけられる。美しい。しかし人気者の彼女は、出版関係のご婦人たちに取り囲まれてしまった。

しばし、ひとりワイン。

その時、目に留まったのが なんと! 刺繍では初めての重要無形文化財保持者(人間国宝)福田喜重氏、その人だった。こんなチャンス、二度とない!!と思ったら、小走りになっていた。おいしそうな料理も、お酒も、すべて飛ばして。

人間国宝の彼を、みな、遠巻きにしていたので、すかざず声をかけた。「福田先生!お初にお目にかかります、天遊です!」一面識もないのだが、しかたない。最近ネットで集めていた先生のコメントで、感動したこと、共鳴したことなど一気に話すと、先生ものって御機嫌で話だしてくださった。輪が広がり、遠巻きにしていた人たちも集まってきて、miniトークショーになっちゃった。

「帯は理性、きものは情緒」

着物はね、来た人が美しく見えなきゃいけない。主張しちゃいけないんですよ。
着物をまとう体のほうが、美しい。というようなことを取材の後にワイン飲みながら言っちゃったら、それだけが取り上げられちゃってねぇ、伸介さんの番組に出た時もいわれちゃったよ(笑)

でもね、着るひと心で繋がれるよう、ひと針、ひと針、刺すんですよ。
呼吸するようにね。

さすがです、そのお言葉。

伝統ということについても、本当にいいお話をしてくださった。
「伝統は守るものではなく、生かすもの」。

そう、それでいいんですよね、先生!
なんだか嬉しくて、ワインで乾杯させていただいた。

(とある記事から)
「福田は、文様と同時に余白を縫い取っているといってもよい。彼の創作の美学が「余白の美」にあるといわれる所以である。重要なのはそれらの協調であり、最終的に善し悪しを左右するのは配色である。その最善の取り合わせを具現化するために、過去35年間の研究で、40万色以上の糸の見本を蓄積しているという。」

人間国宝になる人は、やはり、すごい。深い。
日本には、こんなすごい財産があるんだ!!

出会いに感謝。

 

11/08/2010

ワークショップは、大盛況! 

7日の書と篆刻ワークショップ、御蔭さまで、想像以上の楽しい展開になりました。

初対面同士でも、作品が出来上がるまでにはすっかり仲間になっていて、笑いあり、集中あり、発見あり、達成感あり、色々な気持ちを味わえたと、ゲストのみなさま、笑顔でお帰りに。今週のお寺の道場体験もやりたい!と、申し込みもありました。

これも、強力な組員のサポートのおかげ。彼女たちの応援なくしては、もう成り立たないんです、本当に心から感謝しました。

イベントで何が楽しいって、時間を共有した人たちが新しく繋がっていくこと。今回は、日仏のグラフィックデザイナーさんが多かったのですが、そこに、出版社、IT、ダンサーさんが加わり、「ごく普通の、一般人です」と言っていたご夫婦は、ものすごく勘とセンスがよかったりと、濃い濃い集団でした。

「もっと彫りたい!」「もっと書きたい!」という声にこたえ、また、開催するかなぁ。

年賀状に古代文字の印を捺すひとが、また増えました。

11/06/2010

墓石の文字を依頼され 

「田舎からお墓を持ってくることになり、新しくつくるのですが、ぜひ、文字を書いていただけないでしょうか。四十九日までにもう時間がないので、出来れば今週中にお願いしたいんです」。

実は依頼者はデザイナーで、書もたしなまれるのだが、いざ書いてみたら、どうしてもバランスが悪い。でも、石屋さんに丸投げは、デザイナーとして許せない。

そして書かれたそうなのだが、やはり代々残って行くものへの重責があり、どうしようか、と悩んでいるとき、私と出会ってしまったらしい。

しかし私は、書家と言うより、古代文字アートの作家。「絵みたいな文字なんですよ、書と言うより、むしろアート性が強くて、 古代からの祈りが込められたもので・・・なので、普通の書家に頼まれた方がよろしいかと」。
が、アート性と言うところに反応してしまった。そう、彼は大手代理店のデザイナーだから。

電話では収拾付かないので、古代文字で書いたものを送ることにした。写メで。時間がない時に、本当に便利だなぁ。

いくつか書いているうちに、はて、実際の墓石は、どんな文字だったっけ、と思いだした。墓石の文字。 ○○家之墓。いままで見ていたようで、見ていなかったなぁ~。そうなると、いてもたってもいられず、谷中の墓地へ。
ほー、似ているようでいて、みんなちょっとずつ違うのねぇ。楷書、隷書、その払いが微妙に違ったり、あれこれ、本当ビックリ!

そして本屋へ。世の中、本当にいろいろな書籍があるなぁ~、有名文化人のお墓めぐり、なる写真付きの本があった。しかし。古代文字の墓石なんて、一つもない。

う~ん、なら、私らしさを出そうじゃないの。

依頼者に電話し、ご両親の思い出話をうかがう。日本で1,2のゼロ戦乗りで、名誉市民で、温厚でいつも笑顔だった父。
お嬢様で、家が好きで、手先が器用だった、やさしい母。
どんどんイメージが、声が、伝わってきた。

まる2日間、書いて書いて、書きまくった。楷書風、隷書風、篆書風、古代文字金文。部屋といわず、階段に、物干しに、廊下に、いたるところに「○○家之墓」と書かれた和紙が下げられていた。

翌日、さわやかなミッドタウンのテラスで、選ばれた2点を広げる。安心する隷書風と、最後に一気に書き上げた、甲骨文字。そして、墓守りの図象。

デザイナーには甲骨文字がストレートだった。しかし、御親戚のお年寄りには、刺激的すぎるか・・。さわやかな秋の日差しの中で悶々と悩んだ挙句、決断した。「甲骨文字と、墓守りで、いきます!」

先日、無事納骨が終わったと、メールをいただいた。

お墓に着いた瞬間、ご住職から 「いい字ですね、いい御墓です」と言われました。親戚お歳寄りの方々からも口ぐちにほめてくれました。石屋さんからも「かっこいいすねぇ!」と言われました。

墓守のマークも洒落てて素敵に見えました。また来たくなる墓に仕上がっていました。一度、みにきてください!

よかったよかった。
ご両親の笑顔が見えるようです。