12/17/2010

遊ぶ、ということを探ってみる。 

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「遊ぶものは神である。神のみが、遊ぶことができた。」
白川静の「遊字論」の一説だ。

古代文字では、旗を持つ子供の姿。
天遊の名前にも入っている。

ある哲学者いわく、遊ぶというのは、娯楽、暇つぶし、気晴らし、の一方、華道、茶道、武士道など、「道」を極める世界も、入るそうだ。

「遊は絶対の自由と、ゆたかな創造の世界である。
それは神の世界に他ならない。
この神の世界にかかわる時、人もともに遊ぶことができた。」(遊字論)

確かに、古代文字アーティストとして独立してからは、作品をよくするために書きこむのではなく、多くの時間を、何のために書くのか、書きたいのか、書きたくないのか、という、自分自答をしている。

面白いもので、ふと手にした本や、誘われて行ったイベントから 次々に繋がって、まるで何かに導かれるようにひらめくことが、多々ある。形のない何かに導かれ、気づかされているのかも?と思いたくなる。

遊びは、ゆたかな創造の世界なのだ。

「神は常には隠れたるものである。
それは尋ねることによって、はじめて所在の知られるものであった。」(遊字論)

技術だけを磨くのではなく、その工程、過程で、何に気づかされるのかが、「道」なのだ。

もっと無心に、遊びたおそう。

 

12/14/2010

筆を味方にしよう 

某大手企業から電話をもらう。 

わが社の社長に、書の手ほどきをしてもらいたい。 数日後に本の出版が決まり、その時サインをしなくてはならないので、なんとか頼む、といわれた。 

世襲社長の三代目は、普通守りに入る、と言われるのだが、あにはからんや彼は就任以来、業績を伸ばし続け、不況知らずというツワモノ。 まだ40代の若さだ。 

サラブレッドの若社長、仕事はバリバリ、留学体験あり、英語、フランス語を自在に操るバイリンガルだが、何故か文字だけは苦手で、相当の「悪筆」なのだという。 

「あの、そのような大役は、書道家の先生の方が。。。私には。。。」と何度も云ったのだが、頼みますよ、の一点張り。多分、急遽来てくれる書家がいなかったに違いない。 偉い先生は、忙しいのだ。

名前と、座右の銘をお願いします、と言われてたけど、古代文字で書かせるわけにもいかず、かといって、普通の書家とはちょっと差異を出したく、、、 

まず、図書館へ行って、武将の名筆をじっくり鑑賞。 その後夜まで、行書、草書、隷書、楷書、そして、古代文字で、 書きまくった、社長の名前と座右の銘。 あの、墓石を書いた時と同じく、部屋中に和紙が貼られていった。 深夜に、印を彫った。

そして翌日、硯や筆、和紙、印泥など一式ひきずっていく 。ビルのエレベーターが開くと、お出迎えのスタッフが並んでいて、「先生、こちらです」と、社長室へと案内してくれる。ガラス張りの、社長室。 

社員たちが「書家って、あの人?若いじゃん!」という感じで、興味津津に見ている。与えられた時間は、1時間。15分は、古代文字のことを話した。残り、45分。私は全く駄目なんですよ、と言い続ける社長。まず、書いてもらう。 

。。。。。。。。。 

予想以上だった。

ならば。いつものように一本線を引くところからスタート。気分は、組員の扱いになっていた。 教えながら、どんどんイメージが広がっていく。
書の枠なんて、取っ払いましょ、行書のリズムを、今風にしましょ、そうそう、よくなった! 書いて、どんどん書いて、楽しく書いて!! 

(省略)

「久々、集中したなぁ~。書は楽しんで書けばいいんだね。」
素敵なサインができた。 

秘書を始め、みな、心底ホッとした顔をしていた。落款を捺すと、もっと素敵になって、私もホッとした。
社長はとても素敵な人だった。これからもこの企業は、成功していくだろうなと思った。才能ある人に、悪筆が多いような気がする。

下手なのではなく、個性的なのだと、解釈すればいい。そして筆は、どんな悪筆も、味にしてくれる。

一つづつ、何かをクリアーすると、一つ発見がもらえる。
楽しいなぁ~。

 

11/30/2010

2011フランスの大自然の中で展覧会

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来年の4月22日ー27日、海外の展覧会にゲストとして招待されました!

場所はフランスの京都、といわれる古城の町、Tours(トゥール市)のお屋敷。

主催のマダムの御自宅で、馬も犬のように見える広大な庭園には、一部日本庭園も造られ、いつもアーティストや庭師たちが出入りしている、まさしくセレブリティーな環境でした。

ここで開催されるのが、2m以上の大きな作品のみの「XXart」(エックス・エックス・アート)展。

今年は30人のアーティスト仲間たちとお祭り感覚でスタートしたそうですが、話題が話題を呼び、パリからもメディア取材が来襲、オープニングだけでも1500人集まり、3日間の開催中は、閑静な森に大渋滞が起きるほどの盛況ぶりだったそうです。

自然と一体となった作品展、なんて素敵なんでしょう!箱根の森美術館のような感じだと思ってください。

2回目のテーマは「日本」。なので、ぜひ、大きなライブパフォーマンスをやってくださいな、と、連絡をいただきました。

気さくでチャーミングなマダム夫婦は小さなお花屋さんを営んでいました。偶然知り合い、今晩、遊びに来ない?とさそわれ、気楽に行ってみたら、なんとなんと!!

日本ではありえない出会いが、海外では多々ありますね。

さて、どんな展開になるんだろう、春が来るのが待ち遠しいです。

 

11/25/2010

海外助成金制度って

今年は3カ国での海外展が続き、上半期は体力勝負だったけれど、その時の出会いから、来春の展覧会のご招待をいただいた。

場所は、フランス。

すごーく広いエリアで展開する2m以上の作品だけというBIG展覧会「XXART」。
来年は、今年の倍のアーティストの作品がフランス中から集まるという。
メディアの手ごたえもいいらしい。

そこで、来年のオープニングに、ぜひ天遊さんのライブパフォーマンスを!という、すごいお話。
現地の子供たちにもワークショップを計画しているという。
お部屋はいっぱいあるので、お弟子さんもいっぱい連れてく手大丈夫ですよ、という、想像できない待遇に、もちろん、行かせていただきます!と答えた。

しかし、問題は、交通費。

BIGクライアントが付いているアーティストでもないし、弟子は自腹、といえる大先生でも、ない。いつもサポートしてくれる組員に、申し訳ないと思っている私としては、今回は何とかしなくては、と悩んだ。

そこで、初めて、助成金を申込んでみることにした。そして調べたら、4月のイベントは、今月中に出さないと間に合わない事を知った!!

フランスのマダムにも資料の請求の連絡を取ったり、同行できる組員の打診をとったりするのだけれど、まだ先の話なので、なかなか返事が戻ってこない。

さてさて。どうなることか。

祈っていてください。

 

11/22/2010

人間国宝・福田喜重さん

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人間国宝の人と、会えた。

場所は、帝国ホテル。

男のきものブームを作った、銀座もとじの、30周年パーティ。FM番組をとおして10年来のお付き合いがあるのでメディアご招待いただいたけれど、8割がたが高級な和服をまとった男女。出版社の皆様もしっかり和服姿。
ひときわオーラが放たれているのは、女優の皆様。あでやかで、本当に素敵。

まずい。アトリエから駆け付けたから、黒のニットしかも爪には墨が・・・。
端っこでワインでも飲んでいよう、と歩きだしたら、美人和服スタイリストのAさんに声をかけられる。美しい。しかし人気者の彼女は、出版関係のご婦人たちに取り囲まれてしまった。

しばし、ひとりワイン。

その時、目に留まったのが なんと! 刺繍では初めての重要無形文化財保持者(人間国宝)福田喜重氏、その人だった。こんなチャンス、二度とない!!と思ったら、小走りになっていた。おいしそうな料理も、お酒も、すべて飛ばして。

人間国宝の彼を、みな、遠巻きにしていたので、すかざず声をかけた。「福田先生!お初にお目にかかります、天遊です!」一面識もないのだが、しかたない。最近ネットで集めていた先生のコメントで、感動したこと、共鳴したことなど一気に話すと、先生ものって御機嫌で話だしてくださった。輪が広がり、遠巻きにしていた人たちも集まってきて、miniトークショーになっちゃった。

「帯は理性、きものは情緒」

着物はね、来た人が美しく見えなきゃいけない。主張しちゃいけないんですよ。
着物をまとう体のほうが、美しい。というようなことを取材の後にワイン飲みながら言っちゃったら、それだけが取り上げられちゃってねぇ、伸介さんの番組に出た時もいわれちゃったよ(笑)

でもね、着るひと心で繋がれるよう、ひと針、ひと針、刺すんですよ。
呼吸するようにね。

さすがです、そのお言葉。

伝統ということについても、本当にいいお話をしてくださった。
「伝統は守るものではなく、生かすもの」。

そう、それでいいんですよね、先生!
なんだか嬉しくて、ワインで乾杯させていただいた。

(とある記事から)
「福田は、文様と同時に余白を縫い取っているといってもよい。彼の創作の美学が「余白の美」にあるといわれる所以である。重要なのはそれらの協調であり、最終的に善し悪しを左右するのは配色である。その最善の取り合わせを具現化するために、過去35年間の研究で、40万色以上の糸の見本を蓄積しているという。」

人間国宝になる人は、やはり、すごい。深い。
日本には、こんなすごい財産があるんだ!!

出会いに感謝。